飽和脂肪と肺
メアリ・G・イニグ博士
Translation by Katsumi Yamada
脂 あり?脂なし?高脂肪?低脂肪?間違った質問です。どれくらいどんな種類の脂をどうしてというのがより良い質問でしょう。そう、もっと食事に脂が必要で す。そうしないと食べ物と自然なあぶらの相乗効果を失ってしまいます。自然な脂肪は、適切な満腹信号を出し、大切な脂溶性のビタミン、植物性栄養素、重要 なミネラルの吸収を確実に行い、肌の健康やホルモンの生産、そしてエネルギーの蓄積を適切に行うための原料を提供します。
低 脂肪食は、ますます非生産的であると認識されてきています。正しい満腹信号を出すための質の良い脂肪がなければ、私たちは手近にある食べ物を食べ過ぎる傾 向があります。手近にある食べ物は単糖類のものか部分硬化された油脂かその両方かといったもので、これらはどれもインシュリン抵抗性を増進するため肥満に 進みやすいのです。
飽和脂肪はひどい攻撃にあいました。30年から40年の間、反脂肪キャンペーンの矛先を突きつけられてきたのです。このキャンペーンは、政府の関係部局、消費者、メディアに大きな影響力を持つ食品業界の油脂部門の人々によって推進されました。
食事中の脂肪の勧告は、農務省、食品医薬品局、国立心肺血液研究所などの政府機関やアメリカ心臓病協会のような団体、公益科学センターのような消費者の活動団体などによって出され、一様に飽和脂肪が悪役で食事から排除しなければならないと表現されていた。
これらの団体の広報担当は、食品中にある飽和脂肪酸の役割を理解せず、通常人体のどこにどれくらいあるかも知りませんでした。彼らが飽和脂肪酸について報告したのは、血清コレステロール値への影響と思われるものに基づいていたのです。
特 定の脂肪が体の修復材料、それがコレステロールなのですが、を増やすとき問うべきことは、体が必要とする修復材料を得られるのだから良いことだろうか、も しくは修復材が多すぎると修復の必要が発生するのだろうかということです。前者が論理的で後者は論理的ではありません。ニューヨークの有名な病理学者メ ヤー・テクソン医師は、コレステロールがアテロームになるような損傷を起こしたというのは、白血球が感染を起こしたと責めるようなものです。どちらも修復 を助けるためにあるのですと言う。
人間は自然な飽和脂肪を食べる必要があります。すべての細胞で膜を形成する大切なリン脂質は半分以上が飽和脂肪酸でできています。これが特にあてはまるのは脳で80%のリン脂質が脂肪酸としてあるのは飽和脂肪酸なのです。
肺はどうかといえば、大変重要なリン脂質の種類で肺界面活性質は特殊なリン脂質で100%飽和脂肪酸でできています。この名称は、ジパルミトイル・フォスファチジルコリンと言いこれに2個の飽和したパルミチン酸分子がくっついています。部分硬化した油脂をたくさん摂取すると通常飽和脂肪酸が欲しいリン脂質の部分にトランス脂肪酸が入り込みます。そうすると肺の能力は落ちます。トランス脂肪酸が小児喘息を起こしていることを示唆する研究もあります。
飽和脂肪が十分にあれば心臓発作を防ぎ腎臓を病気から守るという最近の研究があります。研究によると私たちは、動物脂肪やココナツ油やパーム油などの自然なものにしかない特定の飽和脂肪が必要であることを示しています。
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